KARAKEN/HYAKUTAKE

このページは、1996年3月から4月にかけて見られた、百武彗星(C/1996 B2)の様子を記録した、当時のウェブサイトのソースを復活させたものです。細かいところは修正していませんのでリンク切れ等が多数見られますがご容赦ください。

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なばちた・からけん

百武彗星(C/1996 B2)観測記録

からけん／唐崎健嗣　　自己紹介

尾を引きながら北天を駆け抜けて行ったあの日々は忘れられない

Image:04/12
1996/04/12 20:30 300mm/F4.5+ST-7 30sec
撮影:唐崎健嗣＠横浜市西区

1996.04.21(Sun)
- 横須賀で市民天体観察会だったのですが、残念ながら曇ってしまい、パソコン画面を投影しながら彗星の説明などをしました。

1996.04.19(Fri)
- 今日も曇った、なんなんだ～！　明日は軽井沢のデジタル観望会に行きます。

1996.04.18(Thu)
- 昼間は良い天気だったのに夕方になると雲が出ます。　これって地域的な気象現象なのでしょうか？

1996.04.17
- 晴れてはいるようですが金星が見えません。　よくみたら雲が出ていました。

1996.04.16
- 朝から強い雨が降りました。　夕方になってあがりましたが、雲は切れませんでした。

1996.04.15
- 晴れているものの、何か空が白っぽくて明るく、水星も肉眼で見えませんでした。　双眼鏡でも尾の確認は辛かったです。　核が異様に明るく感じられました。

1996.04.14
- 16時過ぎまでは青空だったのに、日没ころは雲雲雲・・・。

1996.04.13
- 晴れていたようですが、仕事に追われるうちに彗星没時刻を過ぎました。

1996.04.12
- 金星が明るく輝き、地上スレスレには水星が大気の影響を受けて七色に輝いていました。　その２つの惑星と二等辺三角形を作るように位置して、より太陽に近づいた彗星は立派な尾を従えていました。　横浜駅から車で10分足らずの明るい市街地で撮影したのが上の左の画像です（未処理）。　４センチの双眼鏡でもすぐに視野に飛び込んできて、尾も６度くらいまで見えました。　３色分解でも撮ったので、画像処理したらアップします。

1996.04.11
- 今日は寒波まで来て寒い一日でした。　星が見えないっ！

1996.04.10
- 今日も横浜の空は雲がかかっています。　夜半には雨まで降りました。　彗星はおろか、月すら見ていません。　そろそろ夕方でも見えなくなっちゃいます。

1996.04.09　19:00～
- うう今日も曇ったぞ。　なんちゅ～天気じゃ。　日本のどこが晴れているの？

1996.04.08　19:00～
- 午前中は晴れ間があったものの、午後からは大気が不安定って感じで、雨が降り出しました。　けっこう強く降って、夜半まで降り続きました。　従って今日も見えませんでした。
- 自宅でパソコンの設定をしていると電話が鳴りました。　「日光に来ています、彗星方向だけ薄雲ですが、双眼鏡の視野からはみだすくらいの尾が確認できます」と。　やはりこの季節、北方面の天候が良いようです。

1996.04.07　19:00～
- 花見日和の日曜日でしたが、風邪気味で一日寝ていました。　夕方空を見ると、やっぱり雲。　スカッと晴れないぞぉ～。

1996.04.06　19:00～
- 土曜日も出勤で、外回りしながら空を見ますが、夕方はど～も雲が多い。　地球接近の頃の天候が嘘のようです。　あの頃はなんとか見えていたのになぁ。

1996.04.05　19:00～
- 今日も夕方は曇っている・・・。　素直に諦めて新宿へ。　この日、名古屋のN10さんが東京に来るという事で、怪鳥さんはじめ、10人以上の仲間達が集まりました。　ホームページの情報交換や、今後の夢などを語りました。　勢いで千鳥が淵の夜桜見物に行って来ました。　綺麗でしたよ～。　帰宅するときれいな月、天候回復が遅いぜっ！
- 彗星ではないですがN10さんと桜と月です。

1996.04.04　19:00～
- 太陽が沈み空が暗くなると必ず北西の空を見てしまいますが、今日も雲もくもく。　帰宅したら月が出ていたので、デジカメで撮ろうと思ってセッティングして、準備が完了したら、これまた雲の中に・・・いったい何なの？！　ペンティアムマシンとの格闘は続いていますが、今日もビブロからです。

1996.04.03　19:00～
- 昼間は太陽が顔を出すものの、薄雲が広がっているし、夜になっても雲が切れません。　辛うじて月が見える程度。　彗星方向は雲雲雲。　府中の怪鳥さんの所では晴れているみたいで、くやし～。
- いきなりPentium133MHzマシンを買いました。　Win95になったのですが、じぇんじぇん使えない～。　今までのソフトがことごとくコケます。　結局ビブロ(FMV/Note)でやっています。　しばらくは設定に明け暮れる事でしょう。

1996.04.02　20:00～
- 雲間に月が見え隠れするものの、北から西方面は全然ダメ。　がぅ。
- ２日付朝日新聞夕刊（東京本社版）の一面に、百武さんをはじめ、中野さんを頭とするアマチュアの観測ネットワークが紹介されていました。　本当に大変な世界なんですよね。　天文ガイドの新天体情報のコーナーを読んでいるとドキドキしちゃいます。
- 書店で「小惑星ハンター」（渡辺和郎／誠文堂新光社\1,400-）という本を見つけて今読んでいます。　僕も固定観測所を持てれば、精測や確認観測やってみたいですぅ。

1996.04.01　19:00～
- 仕事で銀座まで出かけていました。　雨が激しくなってきたので、観測はあきらめて秋葉原に寄ってきました。　ちょっと見るつもりが・・・気づいたらペンティアムマシンを頼んでいました。
- 19:39頃に小惑星による恒星の掩蔽が予報されていたのですが、やはり雨で諦めました。　かなり条件がよく、ビデオで記録できる明るさだったのにぃ。

1996.03.31　20:30～
- 薄雲越しに月が見えていたので三浦市の畑へ。　金星さえ霞んでいましたが双眼鏡で予想位置を見ると・・・ををを！見える！雲を突いてカペラとタメ張ってる！　あわててセッティングするものの、北極星は見えず。　かまわず撮像を始めてピントを出していると・・・雲雲雲。　今日は目に焼き付けただけでした。

1996.03.30
- 桜が咲いたのに春の嵐。　桜の花には早速の試練。　当然雨でした。
- 月が時折見えるものの、曇雲雲。　晴れれば観望会だったのですが、結局おしゃべりして終わりました。　彗星の軌道面を通過したので、尾がどのように変化しているか楽しみです。

1996.03.28 20:00～
- 今日は早く帰ったのに、曇っています。　データの整理しようっと。

1996.03.27 23:00～
- 21時頃は雲が薄く月も見えたのですが、今は曇ってしまいました。
- ISO1600のフィルムに105mm/F2.4開放で３分撮ったものは見事に星の軌跡が消えていました。　写真を撮るときは、色々な露出時間で撮っておきましょう。

出張先でも観測していた！《怪鳥からの観測報告》(3/26～28)

image:03/27

1996.03.26 23:30～
- 天気予報でも晴れていたのでいざ出動。　彗星を見始めた頃は、てんびん座にいて、ゆっくりしていたのに、今日は北極星の近くまで来ています。　まさに韋駄天。　湿度が高く気づくと対物レンズに露いていました。　でも気温は７度前後でした。　水筒に湯を持っていったのですが、CCD撮影やカメラ撮影など忙しくて、何も口にしませんでした。
- 20センチF20/焦点距離４メートルの望遠鏡を持っていきました。　ビデオ撮影のために持っていったのですが、アイピースを入れて彗星を見てみました。　するとどうでしょう？なんとファインダーの方が綺麗に見えました。　やはり彗星には双眼鏡などが向いています。　望遠鏡だと見える範囲が極端に減ってしまいます。
- ついでに極軸望遠鏡で彗星を見てみました。　ファインダーと同様、百武彗星は輝いていました。
- 画像データ：1996/03/26 23:55 300mm/F3.5+ST-7　R/G/B;120sec
  画像サイズ：約1.3度×0.9度　撮影:唐崎健嗣＠神奈川県三浦市

1996.03.25 23:00～
- 三浦市まで出かけたものの、曇で車内でノートパソコンいじっていました。
- 以下の画像は23日のものです。　初めて３色合成にチャレンジしました。　冷却CCDカメラは白黒なので、レンズの前に赤・緑・青のフィルターを置き、それぞれの画像をパソコンソフト上で合成する事により、カラー画像が得られます。　原理は知っていたのですが、やっと出来ました。　でもなんか違う・・・。　実はマニュアルも参考書も読まず、ただソフトをグリグリといじっていて出来た画像です。　もっと全体的にボーッと青くしたいのですが、まだまだ修行が足りないようです。
- 画像データ：1996/03/23 00:05　135mm/F3.5+ST-7　R/G/B;120sec
  画像サイズ：約2.5度×1.7度　撮影:唐崎健嗣＠神奈川県三浦市

1996.03.24 22:00～
- 今日も横須賀は曇です。　天気情報を入手する手段としては、ひまわりの画像、文字放送の関東レーダー（日本テレビで流れています）、ラジオの交通情報の道路状況（雨が降っていると「東名高速は御殿場から西は雨です」などといいます）、友人からの電話などを参考にしています。　天気予報は広域過ぎて自分の見る地点の参考にならない事が多いです。

1996.03.23 20:00～
- 横浜は曇り空でした。　怪鳥さんから「朝霧高原も曇だよ」って電話がありました。

1996.03.22 23:00～
- ハンパじゃないっす！　空を見たら彗星が見えます。　観測地に向かう車のフロントガラス越しに見えます。　いつもの畑に着いて空を見るとすぐに尾が５度以上見えました。　でも、じっと見てしまうと見えないんだな、これが。　尾を見るときは「そらし目」で見ましょう。　最適な観測機器は「肉眼」です。　１×７という人もいます。　ビデオカメラでも映りました！　ビクセンのビデオカメラにR200SS（20センチ反射）で、尾もわずかながら映りました。　でも、やっぱ肉眼が一番です。
- 画像データ：1996/03/23 00:05 T=120sec　300mm/F4.5+ST-7
  画像サイズ：約2.5度×1.7度　撮影:唐崎健嗣＠神奈川県三浦市

1996.03.22 03:00～
- 横須賀は雨です。　天気図を見ると低気圧が接近中。　おやすみなさ～い。

image:03/21

1996.03.21 01:15～
- 夕方から曇っていたので諦めていました。　夜12時過ぎ頃ニフティFSPACEのRTに行ったら浜松や仙台は晴れているとの事。　ひまわり画像では雲の隙間がちょっと見えます。　1時になって空を見たら雲半分。　迷ったものの出動！　25分くらいでいつもの畑の中に到着。　すると見慣れた車、まっちゃかさんが来ていました。　車を降りて空を見ると「うわぁ～！でかい！！」スピカとアークトゥルスに負けないくらいの巨光を放っていました。　早速セッティング開始。　でも焦っているせいか北極星を取り違え、なかなか極軸が合わない。　5分以上ロスしました。　やっとこさ撮像すると、おお！でかい！！　前回からノートリミングです。　CCDの視野いっぱいに拡がっています。　露光後半に雲がかかり、ダメかと思ったものの映っていました。　その後は曇ってしまい、もう見えません。　結局1コマだけ撮って帰宅しました。
- 画像データ：1996/03/21 02:07 T=180sec　300mm/F4.5+ST-7
  画像サイズ：約2.5度×1.7度　撮影:唐崎健嗣＠神奈川県三浦市

1996.03.19 23:00～
- 横須賀は霞んでいましたが、いざ出陣！　途中よく携帯電話がかかってきました。　朝霧高原のＮ氏は曇られているそうです。　三浦市でも２コマ撮った所で曇られてしまいました。
- 右側の画像は古い写真レンズを使っています。　CCDは写真では感光しない赤外域まで感度が高いので、星が太ってしまうんです。　R-Filterとは赤色フィルターです。　赤／緑／青フィルターを使って撮影し、それを重ね合わせるとカラー画像が得られます。　晴れていればカラー画像をお見せする事が出来たのですが・・・。
- 画像データ：左：1996/03/20 00:05 T=180sec　300mm/F4.5+ST-7
  　　　　　　右：1996/03/20 00:25 T=120sec　135mm/F3.5+ST-7　R-Filter
  画像サイズ　左：約2.5度×1.7度　右：約1.3度×0.9度
  撮影:唐崎健嗣＠神奈川県三浦市

1996.03.18 22:00～
- 横須賀はベタ曇りで観測できませんでした。　奈良と名古屋では肉眼で確認できたという報告がありました。

Image:03/18

1996.03.17 23:00～
- 夕食を済ませてニフティに入ると、まっちゃか氏から「観測行きます」とのMAILが届いていたので出かけてきました。　いつもの場所に着いたものの、霞んでいて２等星がやっと見える空。　どうなるかなと空を見上げていたら携帯電話がピリピリ～。　「朝霧高原にいますが、霞んでいる～」とＮ氏。　まぁ諦めずにセッティングを開始。　程なく北極星も見えセッティング完了。　双眼鏡で探すものの彗星は見つかりません。　くやしいので、赤経赤緯値から赤道儀の目盛環で導入。　すると見えた！　大きくなってる！　早速撮像開始。　そのうち透明度もあがり見える星数も増えてきて、ついに今日も肉眼で見えました！　確実に明るくなっていますね。　双眼鏡で尾もハッキリ確認できました。
- ２枚の画像は同一構図です。　彗星が移動しているのが、はっきりわかります。
- 画像データ：1996/03/18 Left;00:07 Right;01:40 T=180sec　300mm/F4.5+ST-7
  画像サイズ45'x37'　撮影:唐崎健嗣＠神奈川県三浦市

1996.03.16 03:00～
- 夕方は雨、夜半は曇りで諦めていたのですが、２時を過ぎたら晴れてきました。　あわてて出動。　荷物は積みっ放しだったので、すぐに出られました。　30分程で三浦市に到着。　もう肉眼でハッキリと確認できます！　「雲が出てきたなぁ」なんて思ってよく見たら天の川まで見えていました。　今日は電源も対策したのでノイズの無い画像が得られました！　カメラも持っていったので撮りました。　これは現像待ちです。
- 画像データ：1996/03/16 04:20 T=180sec 300mm/F4.5+ST-7
  画像サイズ62'x34'　撮影:唐崎健嗣＠神奈川県三浦市

1996.03.14 19:00～
- ３月14日にお茶の水で「百武彗星・緊急勉強会（講師：渡部潤一氏）」があると聞き、宇都宮出張の帰路に寄ってきました。　とっても面白かったです。　ミーハーにも渡部さんの著書にサインを貰ってしまいました。

Image:03/14

1996.03.14 01:00～
- いつも彗星を見ようと思いつつも曇られていたのですが、今日は晴れている！　春は天候が変わりやすいので、あわてて観測に出かけました。　三浦市の畑の中まで約30分、着いてすぐに双眼鏡で見ると「うわぁ～！」というくらい明るいです。　比較星の光度がはっきりしなかったので大ざっぱですが、それでも５等かな？　28ミリのワイドビノでも楽勝です。
- 画像データ：1996/03/14 02:25 T=120sec 300mm/F4.5+ST-7
  コマの大きさ:約10'x9'　西に約30'の尾　画像サイズ47'x35'
  撮影:唐崎健嗣＠神奈川県三浦市

からけんの観測風景です。　Photo by T.Masaoka.

観測機器解説
- カメラ　米SBIG社/ST-7　天体用冷却CCDカメラ。　電子的に処理する事によって、天体のように暗い対象を記録する事が出来る。　望遠鏡に取りつけて使用する。　価格25万くらい。
- 制御用パソコン　富士通BIBLO475NL/S(DX4/75MHz)　ST-7を接続し画像を記録する。　このパソコンはインターネット用にしているので、撮影した画像はすぐにアップロードできる。　旧機種でも充分なので、現在の市販価格12万くらい。
- 望遠鏡　ロシア製ホートン系カタディオプトリック300mm/F4.5（写真用）　彗星は尾を引くので、広い角度が見える物が必要。　もっと尾が長くなったら写真用レンズにする予定。　価格3万くらい。
- 赤道儀　Pentax/MS-4　星は北極星を中心にして回るので、正確に追跡する必要がある。　これを使わないと星が線になって写ってしまう。　価格50万くらい。　→フツーは10万くらいので充分なのですが、大きいのしか持っていないんですぅ。
- 双眼鏡　ロシア製15x110　口径11センチ、倍率15倍の大型望遠鏡。　ロシア国境警備隊が使っている物とか。　視野が6度ありますので尾も充分見えます。　価格26万くらい。　→フツーは7x42(7倍42ミリ)くらいの小さい物（1～3万くらい）で充分です。　僕はヲタクなんです。

(C)からけん
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